コンクリート壁やスチール、剥き出しの配管。
無骨でかっこいい「インダストリアルスタイル」は根強い人気がありますが、「かっこいいけれど、どこかくつろぎにくい」「寒々しく感じてしまう」という声もよく耳にします。そこで当店が提案するのが、無骨な骨格に柔らかなファブリックや遊び心のある素材を重ねた「インダストリアル・ミックス」です。
黒アイアンやラフな木材の家具の中に、あえてふんわりとした生地のソファを置いたり、テラゾー柄やアジアンテイスト(エクレクティック)のアクセントを効かせる。この相反する素材のミスマッチこそが、見た目のソリッドさとリラックスできる心地よさを見事につないでくれます。
この記事では、ただ無骨なだけではない、大人の遊び心と快適性を兼ね備えた「インダストリアル・ミックス」の作法を徹底解説します。オンとオフを心地よく切り替える空間作りの秘訣を、ぜひ参考にしてみてください。
浮遊感のあるソファをアイコンにしたインダストリアル・ミックス

一見するとインダストリアルに反発しそうなふんわり質感のブークレ素材がアイキャッチに。ユニークなフォルムのソファやスツールが近未来レトロな新しい魅力を生み出します。
センターテーブルにグレーカラーの木天板とタフトラグをあわせて、モダンながら硬質になりすぎないソファ周りへ。ワントーンコーディネートで空間全体の親和性を高めています。
心地よさも併せ持つインダストリアル・ミックスは、自宅で仕事をするSOHOスタイルにもぴったり。遊び心のあるサイドテーブルで、オン/オフの切り替えを。
やわらかなブークレ生地と無骨な素材が織りなす新感覚リビング
無骨で硬質なインダストリアル空間に、あえてふんわりとしたブークレ素材のソファやスツールを置くことで、洗練された近未来レトロな表情が生まれます。
まるで浮いているかのようなユニークなフォルムの2人掛けソファは、一目で目を引くリビングの主役にぴったり。黒アイアンフレームのラウンドテーブルやタフトラグをグレー系で揃えれば、無機質になりすぎない落ち着いたトーンが完成します。インダストリアルは無骨に寄せすぎると居心地が犠牲になりがちなので、こうして触り心地の良いファブリックをメインに据えるのが、長時間の滞在でも快適に過ごせる空間づくりのこだわりです。



天然木アッシュとブラックアイアンフレームのモダンなラウンドリビングテーブル



天然木チークのボードゲームが楽しめるヴィンテージなサイドテーブル
遊び心をプラスした、オン・オフを切り替えるワークスペース
自宅で仕事をするSOHOスタイルなら、ワークスペースもインテリアの一部として作り込みたいところです。
木目のエッジが効いた100cm幅デスクとキャスター付きデスクワゴンのセットに、ソフトレザーのデスクチェアとトライポッドスタンドライトをあわせれば、集中できる男前な作業空間が整います。傍らにはボードゲームが楽しめるチーク材サイドテーブルやスチールチェストを置いて遊び心を。仕事モードとリラックスモードをインテリアの質感でゆるやかに切り替える提案です。

木目のエッジが美しいインダストリアルなワークデスク 100cm
木目のエッジが美しいインダストリアルなキャスター付きデスクワゴン

多彩なテイストを自由に編み込む「エクレクティック」の魅力

テイストを織り交ぜて、唯一無二の個性をつくるエクレクティックスタイル。アジアン、カントリー、コンテンポラリーのミックスに上品さがあるのは、色を統一しているおかげ。
視覚的なおもしろさと機能性を併せ持った多彩な捉え方ができる、彫刻のようなシリーズ。正反対のテイストをひと部屋に持ち寄ってもこのアイテムが仲介役となって調和します。
正反対のテイストを調和させる、彫刻的な家具の存在感
アジアン、カントリー、コンテンポラリーなど、多様なスタイルを融合させて唯一無二の個性を生むのが「エクレクティックスタイル」です。
一見すると相反するテイストが喧嘩しない理由は、木肌やベースカラーのトーンを統一しているから。有機的なフォルムのビーンズ型テーブルやPPラタンのスツールは、異国情緒とモダンさを橋渡しする最高の調和役になります。ソフトレザーのスツールやパイン古材ベンチなど、歴史を感じる素材と現代のデザインを混ざり合わせる実験的なアプローチは、自分だけのこだわりを詰め込みたい方に一番おすすめしたい手法です。

天然木アッシュの肘掛けとグレーアイアン脚の北欧ナチュラルなクッション付きラウンジチェア


パイン古材とファブリック座面のヴィンテージなスタッキングスツール

天然木マホガニーとPPラタンのジャパンディなビーンズ型センターテーブル
ジュートとコットンのナチュラルな手織りラグ 130×190cm


硬質さと優美な曲線が同居する、テラゾーモチーフのモダンテイスト

硬質な雰囲気のテラゾー素材や色を使いながらも優美な曲線を描く、その二面性が魅力的。明と暗、静と動、オンとオフ。コントラストの効いた空間を一層引き立てます。
食事を摂るテーブル周りは明るく、趣味に没頭するソファ周りは暗く。エリアを分けながらも繋がりが感じられるよう、狭間を繋ぐようにテラゾーのアイテムを配置しました。
異素材のコントラストでゾーンを分ける、メリハリのある空間づくり
大理石を散りばめたような硬質なテラゾーパターンやコンクリート調の質感に、やわらかな曲線の家具を組み合わせることで、空間に静と動の美しいコントラストが生まれます。
食事を楽しむダイニングゾーンには温もりのある木製ラウンドテーブルを置き、ゆっくり過ごすソファ周りには落ち着いたダークトーンのアイテムを配置。その狭間にテラゾー調やスチール脚のチェアを挟むことで、ひと続きの部屋の中に緩やかな境界線(ゾーン)を作ることができます。メリハリの効いた空間設計は、毎日の「オンとオフ」を自然に切り替えてくれる効果があるのでぜひ参考にしてみてください。

ブラックアイアンフレームとブークレ生地の北欧モダンなダイニングチェア


天然木とくすみカラー棚板の北欧ナチュラルなオープンシェルフ 80cm幅
手編みペーパーコードの北欧ナチュラルな折りたたみ式収納バスケット 3サイズセット
アイアンと天然木とファブリックシェードのインダストリアルなスタンドライト

高級木材ミンディとカゴメ編みラタンのジャパンディなオープンシェルフ

おわりに:ハードな骨格に柔らかさを添えるミックスの遊び心
クラッシュゲート(CRASH GATE)やジャーナルスタンダードファニチャー(JOURNAL STANDARD FURNITURE)、トラックファニチャー(TRUCK FURNITURE)に代表される、無骨で圧倒的に格好いいインダストリアル家具。スチールやラフな古材、レザーの質感は男心をくすぐりますが、空間全体を硬質素材だけで固めてしまうと「どこかくつろぎにくい」「寒々しく感じる」という壁に当たることがあります。
そこで当店が提案するのが、無骨な骨格に柔らかな触感や遊び心を重ねる「インダストリアル・ミックス」です。ジャン・プルーヴェの名作家具のような異素材使いの哲学を取り入れ、無塗装の金属やコンクリート調の背景にあえてふんわりとしたブークレ生地のソファを置く。あるいはテラゾー柄や優美な曲線を差し込んで「柔らかさ」をブレンドする。この「硬さと柔らかさの触感ギャップ」こそが、空間の緊張感をほどき、何時間でも長居したくなるカフェのような心地よさを生み出してくれます。
完璧に作り込むのではなく、「好きなものを寄せ集めて馴染ませた」ようなこなれた無造作感を楽しむこと。お仕事用のワークスペースにも休日を過ごすリビングにも使えるこのミックスの作法で、あなただけの心地よい「大人仕様の空間」を完成させてみてください。

